早朝の女

それは中学二年の冬の出来事でした。
その日は冬だとゆうのに心霊番組がやっていました。
もともと僕は心霊番組など好きなほうだったので、その日も
何気も無くその番組を見ていた僕でしたが・・・。
某芸能人がこんなことを言い出しました。
「僕、金縛りにあったことがあるですよ。あれって本当に動かなくなるんですよね。
もう体が凍り付いてしまったみたいにまったく動かないんですよ。」
僕は、それを聞いて「ぜってぇーありえねぇーし。体が動かないって・・・。
動くに決まってんだろ!!自分の体だぜ?もし俺が金縛りになったら動いてやるよ!
かかってこいよ!ほら、霊さんよ!いんだろ?」
そんなことをTVに向かって言っていました。
そしてその日の夜・・・。(正確には朝方?)それは起こったのです。
布団の中で眠っていると、ふと目が覚めたのです。
部屋の中は薄暗く今何時かもよくわかりませんでした。
けれども眠気がまだあったので再び眠りにつこうとしたところでした。
静かな部屋で聞こえるのは時計の音のみでした。そして眠りに落ちる頃・・・
ガタンゴトンガタンゴトン。電車の音が聞こえたのです。
(あれ?電車走ってるのか・・・。ってことは今夜中じゃないのか・・・?)
そう思った瞬間でした。電車の走る音がプツリと切れたように、
音が聞こえなくなったのです。まったく音が聞こえないのです。
耳の鼓膜がなくなり音が聞こえなくなってしまったように何も聞こえなくなったのです。
そう。まるで耳のチャンネルが切り替わったように。
(え?聞こえない!なんだよ!これ!?)
すると部屋の物がガタガタと音を立て動き出したのです。
それとともに部屋の中に風がビュービューとふく音がするのです。
まるで部屋の中で小さな竜巻が起きているかのような状況でした。
ガタガタガタガタガタ!!!!
ビュービュービュー。もの凄い音でした。
(やばい!逃げなきゃ!)何かわからないのですが、とにかく危ない逃げなきゃ。
そう脳から命令がきているようでした。すぐにでもこの場から逃げようと立ち上がろう
としました。しかし・・・。
そのときにはもう遅かったのです。(う、動かない・・・。や、やばい。)
そうです。金縛りになっていたのです。あの芸能人の言ったとおり、
氷付けになったように動かないのです。このときあの時言ったことを後悔しました。
あんなこと言うんじゃなかった・・・。そして・・・。
ついにあの瞬間がやってきたのです。
「うふふふ。」
「うふふふ。」
「うふふふ。」
と、3回女の人の笑い声が聞こえたのです。
最初の一回は耳元で。
2回目は少し離れたところから。
3回目はかなり離れたところから。
聞こえたのです。徐々に離れていくように・・・。
それを聴いた瞬間泣き出したくなりました。もうだめだ。どうすればいいんだ。
そう思いました。心の中で必死に謝りました。ごめんなさい。ごめんなさい。
ごめんなさい。と。そして・・・どれくらいの時間がたったのでしょう?
親の部屋のドアが開く音がしました。今しかない!今逃げなきゃ!
先ほどまで動かなかった体がふわっと起き上がりました。
そして部屋から飛び出しリビングへ。
「はぁはぁはぁ・・・。やべぇーよ。金縛りあった。」
そう親に言いました。すると親は「あっそ。あんたにかまってる暇ないのよ!」
といわれました。こっちはマジでやばかったというのに・・・。

今回の話はどうでしたか?とても怖かったでしょう?
あなたも気をつけてくださいね?霊を馬鹿にするととんでもない目にあいますよ。
次に起こるのはあなたかもしれない・・・。